Amazonプライムで何気なく時代劇を検索していたところ、『47RONIN』というタイトルが目に留まりました。「忠臣蔵」を思わせる内容に、ハリウッドが赤穂浪士をどう描くのか、強い興味を抱いたのです。
しかし、鑑賞後の正直な感想は、残念としか言いようがありません。なぜならば、その内容がほぼ原型をとどめていない赤穂浪士だったからです。日本というよりは中国的な雰囲気が強かった。衣装や大道具、小道具、登場人物にいたるまで、日本人が見たら違和感だらけのものでした。
とにかく赤穂浪士と思って見ると損をすると思いますね。時代考証もひどい。
赤穂浪士の設定をつかわずに、全く別物として作れば、それはそれで良かったんじゃないかと思うんだけどね。
商業的にも失敗し、国内外での評判も芳しくないようです。これは、多くの観客が私と同じような違和感を抱いた結果なのかもしれません。
キャストの葛藤と次への繋がり
この作品に出演した真田広之さんや浅野忠信さんといった日本人キャストは、この大胆な翻案と、日本の文化描写の扱いに、きっと大きな葛藤があっただろうと推察します。彼らがハリウッドという場で、日本の歴史や文化をどのように表現すべきか、深く考えさせられた経験だったのではないでしょうか。
特に、後に『SHOGUN 将軍』でプロデューサー兼主演として、徹底した時代考証と本物の日本描写を追求した真田広之さんの取り組みを見ると、『47RONIN』での不完全燃焼の部分が、『SHOGUN 将軍』へと繋がる大きな原動力となったのではないかと感じずにはいられません。
もし暇な方がいれば、一度『47RONIN』を観て、その感想を聞かせてほしいですね。