参照元:AstroArts|https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/14339_raise4
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、革新的衛星技術実証4号機に搭載された小型実証衛星4号機(RAISE-4)が、日本時間12月14日12時9分にニュージーランド・マヒア半島から打上げられ、所定の軌道への投入に成功したと発表しました。
打上げの経緯と概要(要チェック)
| 項目 | 詳細 |
| 打上げ日時 | 日本時間 2025年12月14日 12時09分 |
| 打上げ場所 | ニュージーランド・マヒア半島 第1発射施設 |
| ロケット | 米・ロケット・ラボ(Rocket Lab)社のエレクトロンロケット |
| 衛星 | 小型実証衛星4号機(RAISE-4) |
| 目的 | 民間・大学・研究機関が開発した革新的な8つの技術実証を実施 |
| 経緯 | 当初イプシロンSロケットで予定されていたが、開発遅延のためロケット・ラボ社に変更して実施。 |
💡 8つの革新的な技術実証
RAISE-4には、通信技術、推進システム、宇宙ゴミ(デブリ)対策機構など、日本の宇宙技術の国際競争力強化を目指す8つの技術実証部品や機器が搭載されています。このうち6つは、2022年に軌道投入に失敗した革新的衛星技術実証3号機に搭載されていた技術であり、再チャレンジの機会が提供されました。
| テーマ名 | 開発元 | 主な技術内容 |
| LEOMI | NTT/JAXA | 低軌道衛星MIMO/IoT伝送装置 |
| GEMINI | 三菱電機 | 民生GPU(汎用処理装置)実証機 |
| KIR-X | (株)Pale Blue | 水を推進剤とする超小型統合推進システム |
| D-SAIL | (株)アクセルスペース他 | 膜面展開型デオービット機構(宇宙ゴミ対策) |
| HELIOS-R | サカセ・アドテック他 | 発電・アンテナ機能を有する軽量膜展開構造物 |
| AIRIS | 三菱重工業 | SOISOC活用オンボードAI物体検知機 |
| その他 | TDS-PPT、CF-CAM | 小型衛星用パルスプラズマスラスタ、耐放射線地球観測カメラ |
今後、RAISE-4は2か月間の初期運用を経て、13か月の定常運用に入り、これらの革新的な技術の軌道上での実証を行います。
日本の宇宙技術の発展に期待
RAISE-4の打上げ成功は、日本の宇宙産業の技術革新において大きな一歩となります。このプログラムで実証された技術は、JAXAの月面着陸機「SLIM」に搭載された探査ロボット「SORA-Q」にも採用されるなど、実用化が進んでいます。今回の打上げ成功は、今後の日本の宇宙技術の発展と国際競争力強化に大きく貢献することが期待されます。