圧力をねじ伏せるパラオの矜持。日本の「苦労」が耕す、新しい農業の形

2026年2月、農林水産省から届いた「日パラオ農業協力」のニュース。一見するとお堅い政府間の会議報告だけど、その背景にある物語を知るほど、この二国間の絆の深さに感じ入ってしまう。

パラオという国。それは、私たち日本人が忘れかけている「義」や「矜持」を、その小さな背中で体現し続けている誇り高き友人。

国際社会で「義」を貫く、パラオの孤高のカッコよさ

今の国際社会で見せる、パラオの毅然とした外交姿勢。中国からの強烈な経済的誘惑や、観光客の制限といった厳しい圧力を受けながらも、彼らは台湾との絆を断ち切らない。

「誰と友人であるかは、自分たちで決める」。ウィップス大統領の言葉が象徴する、信念を曲げないその姿。損得勘定だけで動かないパラオの「義」の貫き方には、同じ島国として、心からのリスペクトを禁じ得ない。

日本の「苦労の歴史」を、共通の財産にする

そんなパラオが直面している食料自給の課題。ここで日本が提案しているのは、単なる物資の施しではない。かつて私たちが流した汗と、積み上げた失敗の「経験」を分かち合うこと。

特に重要なのが、沖縄県との連携。同じ亜熱帯気候で、台風や塩害、害虫に悩まされてきた沖縄の歴史。かつて心血を注いで成し遂げた「ミバエの根絶」や、過酷な環境下での栽培ノウハウ。自分たちが苦しんで乗り越えたからこそ手渡せる、生きた知恵の交換。

「食」がつくる、喜びの共創サイクル

今回の会合で議論された「栄養改善」というテーマ。輸入食品への依存による健康課題を抱えるパラオに、日本の豊かな食文化を持ち寄る試み。

小規模でも可能な食品保存技術や、「一汁三菜」に代表される栄養バランスの考え方。日本の知恵がパラオの食卓を豊かにし、現地の人々の健康を守る。互いの強みを活かし、共に価値を作り上げていく「共創」のプロセス。それは、支援という枠を超えた、新しい協力の形。

信頼という名の「安全保障」

農業を通じたパートナーシップ。それは単に作物を育てるだけのことではない。共に泥にまみれ、汗をかき、未来を語り合う。その積み重ねの先に生まれるのは、どんな外交文書よりも強固な「信頼」という名の安全保障。

世界が激動する今、パラオのような友人が隣にいてくれることの心強さ。対等なパートナーとして、共に大地を耕し、共に未来を育んでいく。そんな素晴らしい関係を、これからも大切に守り、発展させていきたいと強く願う。

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