令和8年1月5日、防衛省統合幕僚監部は、令和7年12月29日に沖縄本島と宮古島の間の海域(宮古海峡)で確認された中国軍機の動向について詳細を公表しました。同日午後、爆撃機や戦闘機など計8機に及ぶ中国軍機が東シナ海から太平洋へ抜け、再び同じルートで戻るという特異な飛行を確認。これに対し、航空自衛隊の南西航空方面隊は戦闘機を緊急発進(スクランブル)させ、領空侵犯の警戒および監視にあたりました。年末の慌ただしい時期においても、日本の周辺空域では一刻の猶予も許されない緊張状態が続いていたことが改めて示されています。
参照元:防衛省統合幕僚監部|中国軍機の動向について
飛行行動の具体的詳細
令和7年12月29日に確認された中国軍機の編隊は、情報収集機から戦闘機まで多岐にわたる機種で構成されていました。具体的な機数と機種の内訳は以下の通りです。
| 対象機種 | 機数 | 備考 |
| H-6 爆撃機 | 2機 | |
| J-16 戦闘機 | 2機 | |
| Y-9 情報収集機 | 2機 | 推定を含む |
| 中国戦闘機 | 2機 | 推定 |
統合幕僚監部が公開した資料には、自衛隊機が至近距離で撮影した各機体の写真も掲載されており、空の上での対峙が日常的に発生している現実を物語っています。
常態化する活動に潜む真の危うさ
近年、中国軍による沖縄近海での飛行や航行は、もはや日常の風景となりつつあります。こうした活動が繰り返されることで、私たちの感覚が麻痺し、ニュースを「いつものこと」として聞き流してしまうことこそが、最も警戒すべき点です。
軍事的な行動が常態化することは、相手側にとって「どこまで踏み込めるか」を試す絶好の機会となります。毎日のように繰り返される挑発に対し、こちら側の対応がわずかでも遅れたり、監視が形骸化したりすれば、その隙を突いて「ある日突然」取り返しのつかない事態が引き起こされる可能性は否定できません。
いわゆる「ゆでガエル」の状態に陥り、緩やかな環境の変化に慣れきってしまうことは、防衛における最大の空白を生みます。一回一回の飛来に対して過剰に怯える必要はありませんが、それが継続しているという事実の重みを忘れてはならないのです。
思考を止めないための継続的な注視
私たちは、自衛隊が24時間体制で領空を守っているという事実に安心するだけでなく、なぜ中国がこのルートでの飛行を繰り返すのか、その意図を問い続ける必要があります。宮古海峡の通過は、中国軍にとって太平洋への進出ルートを確保し、既成事実化するための重要なステップです。
こうした動きを中止し続け、国民が関心を持ち続けることは、無言の抑止力となります。「誰も見ていない」と思わせないこと、そして「常に警戒されている」と認識させることが、不測の事態を未然に防ぐための第一歩です。令和8年という新しい年を迎えても、周辺海空域の厳しさは変わりません。正確な情報を収集し、冷静に現状を把握し続ける姿勢が、今まさに求められています。
未来の安全保障に向けて
今回の発表は、単なる過去の記録ではありません。将来起こりうるリスクを予見するための重要な指標です。自衛隊の即応体制を維持するとともに、外交や情報発信の面からも、我が国の毅然とした立場を内外に示し続けることが不可欠です。平穏な日常の裏側で、空の守りがどのように維持されているのか。その活動を支えるのは、他ならぬ私たち国民の注視であることを忘れてはなりません。