ミャンマー:カレン州ミヤワディ地区を「レベル3:渡航中止勧告」に引き上げ—計63地区で戒厳令発令中

参照元:外務省 海外安全ホームページ|https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2025T116.html

外務省は、ミャンマーに対する危険情報を更新し、カレン州ミヤワディ地区を新たに「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」に引き上げました(令和7年12月16日更新)。2021年2月のクーデター以降、国軍と民主派勢力との衝突が断続的に発生しており、全土で治安が不安定な状況が続いています。

危険レベルの変更点と内訳(要チェック)

1. レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)

新たにカレン州ミヤワディ地区が追加され、以下の地域が対象です。どのような目的であってもこれらの地域への渡航は止めてください。

対象地域主な理由
カレン州ミヤワディ地区《新規》国軍と少数民族武装組織の衝突が断続的に発生。特殊詐欺拠点が点在し、邦人が監禁・暴行され詐欺に加担させられる事案が発生しているため。
ラカイン州・チン州の一部《継続》少数民族武装組織(AA)と国軍の戦闘再発・激化。
シャン州コーカン自治地帯《継続》武装勢力(MNDAA)と国軍との戦闘継続。
カチン州ライザー周辺《継続》カチン独立軍(KIA)本部周辺での戦闘継続。
2025年7月31日時点で戒厳令発令された地区(計63地区)国軍による行政権・司法権行使、取締り強化、空爆を含む攻撃の継続。
戒厳令が解除された一部地区(計24地区、ヤンゴン除く)衝突事案が散発し、引き続き治安が不安定なため。

2. レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

上記レベル3以外の全地域が対象です。

  • ヤンゴン市: 大規模な衝突は発生していませんが、引き続き治安は不安定です。不要不急の外出や夜間の外出は控えてください。

渡航・滞在にあたっての極めて重要な注意点

1. 特殊詐欺・闇バイトの危険性

タイ国境に位置するカレン州ミヤワディ地区では、大規模な特殊詐欺拠点が存在し、日本人を含む外国人が監禁状態に置かれ、特殊詐欺行為を強制される事案が多発しています。

  • ミヤワディ地区への渡航は、いかなる目的であれ止めてください。
  • 詐欺拠点では、暴行や強制労働の事例も発生しています。
  • 「闇バイト」に応募し、関わってしまったと感じた場合は、一人で抱え込まず、家族または現地の日本大使館に遠慮なく相談してください。

2. 選挙と衝突による情勢不安定化

2025年12月28日から2026年1月にかけて三回に分けて選挙が実施される予定であり、これに向けて当局による取締りや、国軍と民主派勢力との衝突事案が発生し、情勢がさらに不安定になる可能性があります。

3. その他

  • 爆発事案: 軍関係施設、警察署、選挙関連施設などを狙った爆発事案が全国各地で断続的に発生しています。これらの施設には近づかないでください。
  • 一般犯罪: 昼夜問わず路上強盗などが多発しています。夜間の外出は控え、明るい時間帯でも徒歩移動は避け、自家用車やタクシーを利用してください。
  • 撮影禁止: 国軍兵士、警察官、軍・治安当局の施設、治安活動の様子などを撮影すると、拘束され禁固刑が科されるおそれがあるため、絶対に行わないでください。

命の危険を避けるための厳重な警戒

ミャンマーの治安情勢は非常に不安定であり、特にレベル3地域への渡航は命の危険を伴います。渡航・滞在を予定・検討されている方は、全ての情報源から最新情報を入手し、安全を最優先に行動してください。

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